Photo by Rika Otsuru, MyStyleVacation.com
当社の研修は、すべて案件に応じてカスタマイズした内容で実行しています。Empower Women Leaders Program(EWLP)も同様です。 効率が悪いと思われるかもしれませんが、目先の効率より効果を優先するというポリシーに基づいています。
私がカスタマイズにこだわる理由は、企業での人事経験からの学びです。 研修担当時代の私は、限られた予算の中で最大限の効果を取りにいくため、数々の試行錯誤をしました。パッケージ化された既存の研修プログラムを導入するとコストは抑えられます。しかし、受講者アンケートに「事例が自社のビジネスとは大きく異なるのでピンとこなかった」「自分の仕事でどう活かしてよいかわからない」というコメントが書かれることが多いのです。研修コストを抑えても受講者の「学び」がなければ、本末転倒です。
そこで、自ら自社に関連する事例をつくって研修会社さんにお渡ししたことがあります。ところが、当日担当する講師の方が自社のことをよく理解していなければ、どうしても上っ面の議論で終わってしまうのです。 自社でつくって実行したものもありましたが、社員が研修の企画・実行に使える時間には制約がありました。「うちの会社のことをよく理解して、うちの会社にあった研修を企画・実行してくれる外部の専門家がいればいいのに!」と思ったものです。その後独立し、研修を提供する立場になった時、当時の私のニーズに応えるような仕事をしようと心に決めました。
私の実施する研修のほとんどは、「受講者の意識や行動変革を促す」ことが目的です。人の心に火をつけ行動を変えてもらうことは、簡単なことでありません。少しの違和感が研修効果を台無しにするリスクがあります。ですから、研修を企画・実行するうえで、受講者や受講者を取り巻く環境への深い理解と受講者に「伝わること」への徹底したこだわりは不可欠なのです。
(スキルや知識の習得を目的とした研修には、カスタマイズする必要なく効果が得られる研修もあります。すべての研修をカスタマイズすべきだとは考えていません)
私の考えに共感して下さるクライアントと共に研修プログラムを開発する時間は、私にとって最高に楽しく充実した時間です。 担当者の方とは、複数回のミーティングをもちます。まず、クライアントのビジネス、トップの考え、社風、ビジョンや価値観、人事制度、育成ポリシー、主催者の目指すゴール、受講者の方々の特性などの情報をインプットします。クライアントのビジネスやサービスに触れるために、実際に店舗に行ったり、商品を使ってみたり、ウェブサイトや広告を見たりもします。こうしているうちに、私自身のクライアントへのコミットメントも高まります。
ニーズをつかんだら、ふさわしい内容や事例を選び、プログラムをつくりこみます。必要なデータがあれば集めて分析します。プログラムのタイトルやビジュアルにもこだわります。完成したら、担当者の方と一通りプレゼン内容をレビューします。担当者の方には受講者目線でみて、気になるところがないかをチェックしてもらいます。会社によって使われる言葉も違いますので、言葉遣いの細部にまで気を配るのです。
Too muchでしょうか?いえいえ、そこまでやらないと、人の意識や行動に影響を与える研修はつくれないというのが信条です。
クライアントと一緒につくりあげるプロセスを経て、毎回新しいプログラムが生まれます。これからもこだわりを持ち続けて、クライアントにとってオンリーワンの「Empower Women Leaders Program」を提供していきたと思います。
2014年9月20日
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近藤美樹
【旧サイト】研修のつくり方 -カスタマイズにこだわる理由-
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近藤美樹の旧ウェブサイト「Empower Women Leaders Program」に掲載されたブログ(2014年7月~2016年4月)を転記しています。